フォルクスワーゲンが、リビアンに58億ドル(8,700億円)を投資する理由を明かす。なにもVWがインフォテインメントシステムを修正するためではない(だって社長は現在「完璧だ」と語っているし)。
らく診
&RESORT HOUSE(アンドリゾートハウス)
フォルクスワーゲン(VW)がリビアンに58億ドル(8,700億円)もの巨額投資を行う理由は、リビアンの電動化ハードウェアが「現時点で世界最高水準」だと判断したからだ。
昨年、両社は合弁会社設立を発表。リビアンはVWと協力し、「次世代電気アーキテクチャとクラス最高のソフトウェア技術」を開発する代わりに、VWから巨額の資金援助を受けることになった。
トップギアの取材に対し、VWブランドCEOのトーマス シェーファー氏は、この技術が「ボディシステム、ドライブトレイン、インフォテイメント…車両のすべてのエレクトロニクスを網羅し、ポルシェとアウディが最初に恩恵を受け、新しい米国ブランドのスカウト モーターズも対象に含まれる」と述べた。
シェーファー氏は、近年のVWの信頼性に欠けるインフォテイメントシステムからの脱却が目的ではないと主張。ID.3、ID.4、ID.7などに搭載された最新システムは「完璧」で「最先端」なのだと豪語した。まあ、ようやく暗闇でも使える温度調整機能が搭載されたのは事実だけどね。
ここで、フォードがVWのMEBプラットフォームをベースにエクスプローラーやカプリを開発したような、プラットフォーム共有は行われない点に注意したい。つまり、将来のリビアン、特にR2やR3は、VWの偽装車にはならなく、その逆もまたないということだ。
VWがより懸念しているのは、車両内部の機構だ。「現在のVW車の電子アーキテクチャは、複数の制御ユニットで構成されています」とシェーファー氏は説明する。「シートやワイパーなど、車のすべての部品が、さまざまな言語を話す個別のインテリジェント制御ユニットを持っています。そのため、車両全体をまとめるのは非常に複雑です」
「将来は、中央ユニットが主導となります。そして、中央コンピュータが制御する、いわば“ダム(=制御機能を持たない)”ユニットが周囲に配置されます。これにより、アーキテクチャのアップデートがはるかに容易になります」
「いずれにせよ、我々はその方向に進む必要があり、合弁会社を通じて非常に機能的で競争力のある最先端のソフトウェアアーキテクチャを共同で開発することにしました。リビアンは、おそらく市場で最も先進的な技術を持っていると我々は考えています」
これは、BMWが間もなく発表する次世代EV、ノイエ クラッセで行われていることと似ている。BMWは今月初め、パワートレイン、ブレーキ、回生、ステアリングがすべて、互いに競合する多数の制御ユニットではなく、単一の制御ユニットによって制御されるため、ハンドリングとダイナミクスが向上すると大々的に発表した。
トップギアはシェーファー氏に、BMWは資金援助を必要とせず、すべてを自社開発したと指摘した。「では、BMWの規模はどれほどでしょうか?」と彼は答えた。「我々も社内で開発することは可能です。問題は、『適切なスピードとコストでそれができるか?』ということです。常に議論の余地があり、それが正しい選択なのか?ということです」
「また、VWグループの複雑さを考えれば、少なくとも10ブランドで機能させる必要があります。それは簡単なことではありません。だからこそ、最良の方法はこの方法だと判断したのです」
記事を「時が経てばわかるだろう」で終わらせるのはジャーナリストの罪だが…今後の展開に注目したい。
よくある質問/Q&A
Q1: なぜフォルクスワーゲン(VW)はリビアンに多額の投資をするのですか?
A: VWは、リビアンの電動化ハードウェアが「現時点で世界最高水準」だと判断したためです。特に、次世代電気アーキテクチャとソフトウェア技術に注目しており、共同開発を通じて自社の電動化戦略を加速させることを目指しています。
Q2: VWとリビアンの提携で、具体的にどのような技術が開発されるのですか?
A: 両社は、「次世代電気アーキテクチャとクラス最高のソフトウェア技術」を共同で開発します。これは、ボディシステム、ドライブトレイン、インフォテイメントなど、車両のすべてのエレクトロニクスを網羅する技術です。
Q3: リビアンの技術がVWのインフォテイメントシステムを改善するために使われるのですか?
A: VWは、最新のインフォテイメントシステムは「完璧」で「最先端」だと主張しており、必ずしもインフォテイメントの改善だけが目的ではありません。より根本的な車両アーキテクチャの刷新を目指しており、リビアンの技術はその実現に不可欠だと考えています。
Q4: 将来のリビアン車(R2やR3など)は、VW車とプラットフォームを共有するのですか?
A: いいえ、プラットフォーム共有は行われません。将来のリビアン車がVWの偽装車になることはありません。VWが注目しているのは、プラットフォームではなく、車両内部の電子アーキテクチャです。
Q5: リビアンの電子アーキテクチャは何が優れているのですか?
A: リビアンは、車両の制御ユニットを中央ユニットに集約する「セントラルコンピューティング・アーキテクチャ」において、業界をリードしていると考えられています。このアーキテクチャは、アップデートが容易で、将来の機能拡張に適していると評価されています。
Q6: スカウト モーターズとは何ですか?
A: スカウト モーターズは、VWグループが新たに立ち上げた米国市場向けのブランドです。2022年に設立され、VWグループの子会社として独立運営されています。「スカウト」というブランド名は、1960年代から1980年代にかけてインターナショナル ハーベスターが生産していたオフロード車に由来します。このブランドは、VWが2020年にナビスターを買収したことで取得されました。スカウト モーターズは、主にピックアップトラックとSUVの電動モデルを展開予定です。
Q7: スカウト・モーターズは、リビアンとVWの提携からどのような恩恵を受けますか?
A: スカウト モーターズは、VWとリビアンが共同開発する次世代電気アーキテクチャとソフトウェア技術を活用し、競争力のある電動車を開発することを目指します。具体的には、ポルシェやアウディと同様に、開発される技術が搭載される予定です。
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=海外の反応=
「多くの自動車メーカーと同様に、VWも部品設計を外部のサプライヤーに委託している。重要な部品であっても委託することが多く、VWは自社で必要なアーキテクチャを開発する能力がないか、サプライヤーがVWの条件でプロジェクトを引き受けなかった可能性がある。
リビアンとの合弁事業は理にかなっている。フォードがかつてリビアンに投資し、現在フォードがVWのEVプラットフォームにお金を払っているという事実も考慮に入れると、さらに納得できる。
政治的な意味もある。米国政府はアメリカ企業への投資を歓迎するため、ロビー活動で有利な立場を得られる可能性がある。
VWはアメリカ市場での存在感を高めようとしており、スカウト・モーターズの投入は、これまで二流の技術やモデルを提供していた態度を改め、本腰を入れる決意の表れかもしれない」
↑「Chat GPTによる分析。(コメント主がAIに同様の質問をした結果を紹介している)
司法省(DOJ)がこの投資を阻止するか?
ソフトウェアを購入するだけであれば、なぜこれほど高額な投資をするのか?(半導体チップを自社で作れる企業は少ないため)
真の戦いは、直販(Direct-to-Consumer、DTC)とフランチャイズ法。
既存のフランチャイズ契約と州法により、VW(VW、アウディ、ポルシェブランド)は直販ができない。
VWは、テスラやリビアンのように直販を行うために、スカウト・モーターズを設立した。しかし、ディーラー協会はこれをフランチャイズ契約を回避する企業の策略だと訴えている。
VWにとってリビアンが重要なのは、リビアンが既に直販を行っているため、VWはリビアンの組織構造、ノウハウ、法的立場を利用して、自社の直販の正当性を主張できるから。
VWの本当の狙いはソフトウェアだけではなく、新しいブランドで直販を行うための法的根拠を得ることかもしれない。
NVIDIA、Intel、Bosch、ZFからソフトウェアを購入する代わりに、リビアンを買収する理由は、VWのDTC問題を解決できないから。リビアンはDTCを既に構築しているため、これを利用する。
司法省がこの取引を阻止する可能性は低い。独占や競争を阻害するものではない。
真の戦いは、州レベルでの直販をめぐる争いになる。
VWがこの計画を成功させれば、テスラと同様に、従来の自動車ディーラーの衰退を加速させる可能性がある」
「米国政府との関係が緊張する可能性もある」
「うちの妻の6か月前のシュコダ コディアックに搭載されている「完璧」なインフォテイメントソフトウェアをOTA(無線)アップデートで提供してほしい。現状はゴミなんだよ」