ハーレーダビッドソン横浜鶴見:「FUEL(フューエル)」が導入された5年ぶりの新店舗

2025年5月9日にハーレーダビッドソンは5年ぶりとなる新店舗「ハーレーダビッドソン横浜鶴見」をオープンした。350平米を誇るショールームには9台の最新モデルが展示され、さらに2階に上がると認定中古車の展示、ラウンジ、そしてショップ・イン・ショップとして充実したアパレルのエリアが広がる。
今回のこの店舗の最大の特徴はグローバル基準に適合する最新のストアデザインプログラム「FUEL(フューエル)」が導入されたことにある。国内では沖縄、福岡に続く3店舗目となるが、この「FUEL」の導入の狙いをハーレーダビッドソン ジャパン代表の玉木一史氏に伺ってきた。

「ハーレーダビッドソン横浜鶴見」は横浜の環状2号線と140号の交わる上末吉の交差点に位置する。工場をイメージしたこの建物は黒を基調にオレンジのアクセントカラーが眩しくハーレーらしいショールームの外観となるが、頭上に輝く「バー&シールド」と呼ばれるハーレーのロゴから「HARLEY DAVIDSON」の文字が消えアウトラインだけになったことで、訪れる人を少し戸惑わせるかも知れない。
しかし、これこそがハーレーダビッドソンの最新のストアデザインプログラム「FUEL」によって建てられた最新の店舗である証である。

一歩店内に入ると、正面に飾られた新しい「バー &シールド」が我々を迎え入れ、ハーレーダビッドソン というブランドがなにか大きく進化していることを予感させてくれる。店内には9台の最新のバイクが向きを変えていろいろな位置に展示され、なにか宝物探しをするようなワクワク感に駆られる。ハーレーダビッドソンの楽しみはカスタムで自分らしさを表現できることだと思うが、商談テーブルの脇にはカスタムパーツが並べられ、すぐに部品を手にとってイメージすることができることも、お客様にとっては嬉しい配慮だろう。

サービスカウンターの上には、大きなディスプレイが配され、サービスメニューの価格表のみならず担当するテクニシャンの紹介などが表示されており、大事なバイクを預ける際の安心感が増す。工場の作業ベイは現在4基あるが、将来的には6基まで増やすことが可能だそうだ。これは関東近県では最大の規模となる。

2階は認定中古車の展示を行うが、目を引くのはショップ・イン・ショップのアパレルエリアである。数え切れないほどのアパレルグッズやアクセサリーが展示され、さながらビンテージショップに迷い込んだような感覚に襲われる。ここだけを目当てに来店する価値もあるだろう。

今回の「ハーレーダビッドソン横浜鶴見」のオープニングに際し、ハーレーダビッドソン ジャパン代表の玉木一史氏にお話を伺ってきた。

トップギア、以下TG:新店舗のオープンおめでとうございます。現在、ハーレーダビッドソン の店舗はいくつになりましたか?
ハーレーダビッドソン ジャパン、以下HD:今回の横浜鶴見のオープンで全国88店舗+認定中古車専門1店舗で合計89店舗となります。47都道府県のうちすでに42都道府県にはハーレーの正規ディーラーがありますが、今後も戦略的に店舗展開を考えていきたいと思います。

TG:モーターサイクルショーはかなり盛り上がっていましたね。バイク市場は拡大しているのでしょうか?
HD:はい。コロナの時期に販売はピークに達し、一旦は落ち着いたのですが、モーターサイクルショーの来場は4%増加し、40%の来場者は40代以下の若者層でした。女性比率も年々大きくなり、多様性が拡大したことも最近の特徴です。大型免許取得者も増えてきていますし、市場はヘルシーになってきていると感じます。

TG:なぜそのようにバイク市場が盛り上がってきていると思われますか?
HD:1つの理由、はSNSの浸透で自分自身を発信できる機会が増えたことだと思います。バイクという自己表現力の強いツールとSNSの影響力の相乗効果で今の状況が生まれています。特に若い方がバイクに興味を持ってくれていると実感します。

TG:「FUEL」のお話を伺いたいのですが、そもそもどのような理由でこのコンセプトが生まれたのでしょうか?
HD:ハーレーダビッドソンは122年の歴史があるブランドですが、絶えず未来に向かって走り続けていることが特徴です。ヘリテージやこれまでのお客様を大事にしつつも次の100年に向けての進化を示すこともブランドの大きな役割です。
新しいロゴの採用もその一つですね。「FUEL」にはハーレーダビッドソンの新しい時代の幕開けをアピールする狙いがあります。

TG:これまでの店舗と「FUEL」店舗の一番の違いは何ですか?
HD:私達はディーラーを単なるオートバイを売る場所とは考えておりません。店舗に足を踏み入れた瞬間からハーレーダビッドソンのストーリーを感じていただけるような空間作りを心がけています。多彩なプロダクトをゆったりと楽しんでいただくだけでなく、スタッフとのコミュニケーションであったり、ライフスタイルグッズの提案であったり、お客様同士の交流であったり、ハーレーダビッドソンでしか味わえない世界観を視覚的にも空間的にもそして空気感的にも感じ取っていただける場所であることが一番の特徴です。

TG:玉木さんは4輪の世界から2輪の世界に飛び込んできました。大きく違いを感じる点はありましたか?
HD:自動車はある意味で、必要に迫られて購入するケースもありますが、バイクは皆さん自分の生活を彩るツールとして購入されていますね。だからこそハーレーのストーリーを伝え、ハーレーと過ごす未来の自分をイメージできるディーラー体験を提供することが大事です。例えばバイクに乗れない日でもアパレルを探しに来たり、ただおしゃべりに来たりとハーレーというブランドを常に感じていただける環境を作ることが重要です。そしてハーレーはそんな楽しみも提供できるブランドだと思います。

TG:ブランドとして特に大事にされていることはありますか?
HD:お客様をきちんとケアすることは特に大事にしているポイントです。特にハーレーはお客様との長いお付き合いが続くからです。

ハーレーは「自由」、「冒険」、「仲間」という言葉を大事にしています。この中でも特に「仲間」は重要な要素で、お客様同士だけではなくディーラーも「仲間」として感じていただけています。そういった意味でディーラーが「ハーレー乗り」のコミュニティの中心としての役割を果たしているのです。
実際に、各地域のオーナーズクラブのミーティングはディーラーで行われていることもありますし、ちょっとしたツーリングの休憩ポイントとして立ち寄っていただくことも大歓迎です。

TG:今回、関東初のFUELディーラーとして「ハーレーダビッドソン横浜鶴見」がオープンしましたが、ご来店いただけるお客様にメッセージがあればお願いします。
HD:最近はオンラインで様々な情報が溢れていて買い物もしやすくなりましたが、バイクには音や振動、匂いなどオンラインでは伝わらない魅力が溢れています。ぜひ「ハーレーダビッドソン横浜鶴見」にお越しいただき実際に五感でハーレーの素晴らしさをご体感いただきたいです。

【トップギア・ジャパン編集後記】
ハーレーダビッドソンの大きな魅力の一つはそのカスタムの多様性にある。自分らしさを「自由」に表現することを大事にする文化は「ハーレーダビッドソン横浜鶴見」のショールームにも現れている。「FUEL」はグローバル基準に適合する最新のストアデザインプログラムであるが、ある一定の基準さえクリアすれば細かい部分のデザインは店舗に委ねられるという。「ハーレーダビッドソン横浜鶴見」のデザインコンセプトはお客様がカスタムで自分のバイクを作り上げる工場をイメージしたインダストリアルなデザインとなり、アクセントカラーとしてブランドを象徴するオレンジが散りばめられることで、ハーレーダビッドソンを常に感じることができる。
「オーナーさんの熱意がスゴいあまり、店舗デザインにはスゴく時間がかかるのですよ」とハーレーダビッドソンのディーラー開発の担当者は笑うが、その微笑みの奥には仲間と良いものを「自由」に作り上げる楽しさと悦びを感じている様子がうかがえる。
もう1つのキーワード「冒険」も物理的なアドベンチャーとしての冒険という意味だけではない。週末にハーレーに跨がり、平日とは違う自分の一面を解き放つことも「冒険」であるし、スーツからTシャツに着替えて「BLUE SKY HEAVEN」に参加することも「冒険」であろう。ハーレーのある人生から始まるその人の未来はすべてが「冒険」であり、ハーレーダビッドソンはそんな精神的な「冒険」も大事にするブランドだと感じる。
そして新たにオープンした「ハーレーダビッドソン横浜鶴見」はそんな「仲間」たちの来店を心から歓迎する雰囲気に溢れている。車でも来店しやすいように駐車場も完備し、フレンドリーなスタッフが出迎えてくれ、そこにこれまでのバイクショップ特有の敷居の高さはない。
思い描いていた生活から少しコースアウトするかも知れないが、あなたを充実した未来へ導く人生の「分岐点」がそこにあるのではないだろうか。

【ハーレーダビッドソン横浜鶴見】
■所在地:
〒230-0011
神奈川県横浜市鶴見区上末吉5-14-9
■WEBサイト: https://harleydavidson-yokohamatsurumi.com/
■お問合せ: TEL:045-710-0034

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