「ベンツ」呼び、消えゆく!?メルセデス・ベンツ Aクラス

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日本も「ベンツ」から「メルセデス」へ

これから、日本でもメルセデス・ベンツのクルマを「ベンツ」と呼ぶことを、だんだんしなくなるかもしれない。昭和の時代には、日本では「ベンツ」と呼ばれることがほとんどだったし、もっと言うなら、ガイシャ=ベンツ、という概念だって多くの人が持っていたのだ。それが、平成も終わろうとしているいま、日本でも世界と同じく「メルセデス」という呼称へと、徐々に変わっていきそうだ。

理由は、今回発表された、新型メルセデス・ベンツ Aクラス。「ハイ、メルセデス」の声で起動する、メルセデスベンツ ユーザー エクスペリエンス(MBUX)が全車標準装備となっており、ユーザーが繰り返し「メルセデス」と呼びかけることと、この機能がメディアを通じて伝播していくことで、メルセデス・ベンツ車は「ベンツ」でなく、「メルセデス」と認識されていくのではないだろうか。

メルセデス・ベンツ A180 スタイル

上野金太郎CEO

Aクラスは1998年にデビューをし、2013年の3代目フルモデルチェンジにおいて、大きくそのスタイルを変え、日本では、アニメーションを使ったマーケティング活動が話題を呼んだ。累計45,000台が販売された人気の車種である。

コンパクトモデル開発 プロジェクトリーダーのオリバー ゾルケ氏

MBUXユーザーインタラクションコンセプト 担当マネージャーのトビアスキーファー氏

今回はSクラスと同レベルの安全運転支援システムを備えているのと、何と言っても、メルセデスベンツ ユーザー エクスペリエンス(MBUX)を搭載し、音声コミュニケーションが取れることが一番大きな変化だ。導入モデルは3種類で、322万円のA180、362万円のA180スタイル、そして479万円で、500台限定のA180 エディション1が揃えられている。デリバリーは12月からを予定している。

まずはパワートレイン。1.33リッター、オールアルミニウムのM282は136ps、200Nmで、先代1.6リッターエンジンと比べると、出力は14ps増強されている。特長は、超小型、軽量、優れた動・静剛性だ。ターボチャージャーは電子制御ウェストゲートを搭載しており、フレキシブルな過給圧制御により、低負荷域においても最適な過給圧を設定することができる。

もう1つの技術的な特長であるデルタ形シリンダーヘッドは、通常のシリンダーヘッドに比べると、装着時の高さがある一方、幅や重さははるかに小さくなっている。そのほか、インテークマニホールドとエグゾーストマニホールドを半一体型としてコンパクト化を可能にした。なおダイムラーは、最大圧力250barの高圧インジェクションポンプを省スペースで配置する技術に対して特許を取得している。多孔式インジェクションノズルを燃焼室の中央に置き、バルブに燃料ジェットを当てずに燃料を噴射するものだ。

メルセデス・ベンツ A180 スタイルメルセデス・ベンツ A180 スタイル

フロントサスペンションは、これまでのAクラスの伝統にのっとりマクファーソン式を継承し、リアサスペンションにはトーションビーム式を採用している。

フロントデザインは、低いボンネットと、クロームをあしらったフラットなLEDヘッド ライトが特徴で、室内やトランクは、ゆとりにこだわっている。注目は、セグメントトップの Cd 値 0.25を誇る、エアロダイナミクスだ。前後ホイールスポイラー、ホイールアーチのエンジンルームからの隔離、大型ルーフスポイラー、サイドスポイラー、スポイラーリップにより空気抵抗と揚力を低減するなどのこだわりを見せている。

メルセデス・ベンツ A180 スタイルメルセデス・ベンツ A180 スタイル

スマートフォンのコネクティビティ関連機能も拡張され、Qi規格対応機種であれば、無線充電する「ワイヤレスチャージング機能」を前席に全車標準装備している。MBUXとともに、運転に集中できる仕組みになっている。

メルセデス・ベンツ A180 スタイル人工知能による学習機能を備えたMBUXは、ユーザーが次に何をしたいかを予測してくれる。例えば、定期的に決まった電話番号へ電話をするユーザーに対しては、その時刻になるとディスプレイに相手の電話番号を「おすすめ」として表示してくれる。

さらにナビゲーションシステムにおいては、ユーザーがよく通行するルートを検知すると、そのルートを使う目的地への案内を早速バックグラウンドで開始する。そしてナビゲーション画面に、「おすすめ目的地」として表示される。そこへ行くことを確認するだけで、渋滞に関する警告など、ルートに関するあらゆる情報をすぐに得ることができる。つまり、使えば使うほど、賢くなっていくのがAクラスなのである。

メルセデス・ベンツ A180 スタイルこのMBUXは、ニュアンスコミュニケーションズによる音声認識機能を備えているそうだ。ニュアンスコミュニケーションズといえば、ドラゴンスピーチで昔から日本でも音声認識で一歩先をリードしてきた企業で、本社は米国マサチューセッツ州にある。個人的に、音声認識を数年前から取り入れており仕事でも活用しているので、ドラゴンスピーチに関しては知っていたので、Aクラスでも、かなり自然な音声対話ができると期待している。

それに、海外の人からすると考えられないかもしれないが、日本人にとって恥ずかしくない呼びかけができるかどうかということも、大事な要素だ。他社のデバイスと比べてみるとよくわかる。

「ハイ、メルセデス!」→隣に人がいても、恥ずかしくない。「OKグーグル!」→まあ、ギリ許せるレベル。なれてくれば。「ヘイ、Siri!」→無理ゲー、と、個人的にはそういう印象だ。以前、iPhoneだったときは、音声認識をよく利用していたが、この呼びかけだけはついぞできぬまま、ホームボタン長押しをしていた記憶がある。

やはり、「ハイ」というのは日本語の返事と同じということもあり、「OK」や「ヘイ」に比べればとても発声しやすい。ということで、新型Aクラスが売れると同時に、日本でもますます「ベンツ」ではなく、「メルセデス」の呼び名が広まっていきそうな気配である。






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