マクラーレン セナ、軽量化のヒミツはF=m×aに





東京に2番目のディーラーも展開予定

増上寺を舞台に、大倉正之助氏による能楽囃子大蔵流大鼓でスタートした、マクラーレンセナの発表会。太鼓の音や能の映像が、イギリスから来たスーパーカーのマクラーレンセナと不思議とよくマッチしている。その秘密は能楽のまとレースの最中の集中力の高まりにの感覚が似ているからかもしれない。レーシングテクノロジー最新の技術を携えながら、伝統と革新の融合をテーマにしたマクラーレンにはぴったりの演出だった。

マクラーレン セナマクラーレン セナ

だが、よくよく考えてみれば、このマクラーレン セナ、675,000ポンド(9,770万円)という価格もさることながら、世界限定500台はすでに完売している。もう買えないクルマをお披露目することに意味がないのではないか、と考える人もいるかも知れない。

まずは、マクラーレン ジャパン オフィス代表の正本嘉宏氏がマクラーレンについて説明を行った。

「2012年に日本に導入された際には12Cという1モデルしかありませんでしたが、2018年の現在では、3つのプロダクトレンジを持っています」

そう、スーパーカーのパフォーマンスをスポーツカーで実現したスポーツシリーズ、マクラーレンの真のDNAを体現化したスーパーシリーズ、そして今回のセナが入っているトップエンドのアルティメットシリーズである。

マクラーレンではスーパーカーの製品をベースに、モータースポーツ分野でも積極的に活躍し、GT3やGT4でも活躍を遂げている。そして、2016年からは高級時計のリシャール・ミルとコラボしているが、「最先端のデザインやテクノロジーを使って新しいものを作り出していくマインドセットは、マクラーレンと共通するものです」ということであった。

リシャール・ミルのRM11-03オートマティック フライバッククロノグラフ マクラーレン

リシャール・ミルのRM11-03オートマティック フライバッククロノグラフ マクラーレン

リシャール・ミル マーケティング部マネージャーの高塚茂夫氏が、マクラーレンとコラボレーションした新作の時計もお披露目された。高塚氏によれば、「3月のジュネーブモーターショーで発表された今回の新作は、RM11-03オートマティック フライバッククロノグラフ マクラーレンという名前です。随所にカーボンがあしらわれており、世界限定500本で、予定価格は23,004,000円(税込)となり、夏頃の販売開始を予定しています」マンションが買えるくらいの価格の時計か、とため息をつかれる方も多いはずだ。だが、じつは今回のモデルはとてもお買い得とも言えるものだ。

これは、前回発売されたマクラーレン レーシングとのコラボモデル、RM50-03トゥールビヨンスプリット セコンドクロノグラフ ウルトラライト マクラーレンF1は世界限定75本で価格は1億2916.8万円という、とんでもない金額であったことを考えると、今回は、マクラーレン オートモーティブとのコラボということもあり、価格、限定本数ともに入手しやすいものとなっている。

高塚氏は「2016年からマクラーレン レーシングと、そして2017年からはマクラーレン オートモーティブとコラボレーションを行っており、レースのドライバーには、リシャール・ミルの腕時計をはめてレースに臨んでもらっています。今後もマクラーレンと一緒に最高の技術を持ったエクストリームウォッチを世に送り続けていきたいと思います。また秋には、昨年と同じように11月最後の土日で、『鈴鹿サウンドオブエンジン』を開催したいと考えています」と、力を込めた。

マクラーレンもリシャール・ミルも、限定数を売り切ってしまった商品でも、積極的に露出していく。一般的には、露出した分を一つでも多く売っていくというのが基本だと思うが、この頂点を極めた2つのブランドは、台数や本数を追い求めない。ブランドの価値を上げるためと、限定品を買い求めたオーナーたちに満足してもらうために、買えないものも見せていく手法をとっている。その意味でも、この2つのブランドに共通点を感じた。

マクラーレン セナマクラーレン セナ

マネージングディレクター アジア・パシフィックのジョージビックス氏が販売状況についての話を行った。

「マクラーレンは、昨年3,340台を販売し、4年連続の成長を遂げています。そのうち2,000台以上はスポーツシリーズとなり、現在はマクラーレン プロダクションセンターで1日20台の生産を行っています。日本市場に関しては、そのスポーツシリーズの売り上げが大きく、

世界第3位です。また、2016年に比べて2017年とは2017年は78%の増加をしていまして、大変重要な地域であると認識しています。これから二番目のディーラーを東京に設立する予定がありまして、日本での成功が続いていくことを確信しています」

マクラーレン セナ最後は、エンジニアリング デザインディレクターのダンバリー ウィリアムズ氏だ。

「我々のミッションは、最高クラスで、公道で乗ることができるレーシングカーの開発でした。より軽量でより早く、最もドライバーとの一体感が高いことに主眼を置き、そして伝説のアイルトンセナにふさわしいドライビング体験を提供することを目指しました。皆さんは1643年から1727年の間に生きた、物理学者のアイザック ニュートンはご存知でしょう。ニュートンの運動の第2法則の定理を生み出したのです。この式はF=m×aとなりまして、F[N]は推進力、m[kg]は車両質量、そしてa[M/は加速となります。もう、おわかりですね。加速力を求めるにはaを左側に持ってきて、式を変形すれば良いのです。車両の質量が少なければ少ないほど、より大きな加速力が得られるというわけです。ですから、マクラーレン セナは、ここに着目しました。結果的にシートシールは3.35kg、リアウィングは4.87kg、フロントフェンダーに至っては0.66kgという驚異的な軽さを誇っています。さらに、歴代マクラーレン公道車で最高のダウンフォースである800kgの合計ダウンフォースを得られています。0-100km/h加速は2.8秒、0-200km/h加速は6.8秒、0-300km/h加速は17.5秒です。そしてかつてないほどのストッピングパワーも持ち合わせています。マクラーレンP1が時速100キロから停止まで30メートルだったのが、セナでは29.5メートル、200km/hから停止までは、マクラーレンP1が116メートルですが、セナでは100メートルです。先程も申したように、乾燥重量で1,198kgという究極の軽量化が施されており、パワーは800hpで最大トルクは800Nmです」

このクルマが公道を走れるのは驚きである。マクラーレン セナを発表することによって、全体の販売台数も上がっていきそうだ。日本では何台ほど予約があったのか正本氏に聞いてみると「数十台というところですね」とのことだった。






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